「さよならのその日まで」②~ペットとの最後の時間を大切に~
第2話:寄り添う午後
午後の日差しが窓から差し込み、ココは飼い主の膝の上で丸くなって眠る。
その寝顔は、幼いころの面影を残しつつ、歳月の重みを感じさせる。
静かに呼吸するたびに、胸が締めつけられるような愛おしさが込み上げる。
過ごした日々を思い返すと、散歩道での些細な出来事や、一緒に過ごした穏やかな時間が鮮明に蘇る。
小さな足音、ふわりとした毛の感触、飼い主の顔をじっと見つめる目――
すべてが、かけがえのない思い出だ。
先のことを考えると、悲しみが先に立つこともあるが、今こうしてそばにいる温もりこそ、人生の宝物だと気づかされる。
そっと手を撫でながら、飼い主は心の中で何度も「ありがとう」とつぶやいた。
一瞬一瞬の積み重ねが、後に深い愛情として胸に残るのだ。

